地平の意義

「ハゲタカ」スピンアウト・ノヴェル


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Deal 7

 会場に戻ると、鷲津はもう一度、本木の隣に立った。
「再建計画書を社長に渡しておきました。目を通しておいて下
さい。」
「…わ、私達はっ…」
「これは『検討してくれ』と言っているのではありません。た
だの通達ですから。」
「な… 最大株主になったかも知れないが、まだ取得率は…」
 本木が眼を剥くと、鷲津の携帯が計った様に鳴った。軽く相
槌を打つと、電話を切る。
「50、超えましたよ。」
「!?」
 株が半数以上取得されるという事は、そのまま内部からの流
出を意味していた。


 廊下へ出ると、今度こそ本物の『50%越え』の電話が入っ
た。
『取り敢えず今日の mission は complete ですね!』
 電話口から聞こえるアランの声に、鷲津は何も答えなかった。


 何ノ為ニ働クノカ?


 中延との先日の会話が、ふと頭をよぎった時、背後から声が
かけられた。
「へぇー。そんな小細工だったんだ!」
 あくまで悪気の無い声は、先程聞いたそれだと思い到る。
「何か御用ですか、間さん。」

 鷲津が振り向くと、呼ばれた男はへらりと笑った。
「あのさ、ウチの会社、買収してよ。」
 青年の申し入れに、鷲津は僅か、眉を動かした。






posted by Team Novelize”HAGETAKA” 02:32 |-|-|pookmark